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更新日:平成25年3月1日

ふるさとの木

1.ふるさとの木指定の経緯

新冠町開町100年を間近にひかえた昭和53年に、社会教育委員協議会成人部会が中心となって、新冠に残る古い老木に看板を立てて、先人とともに過ごしてきた木を「ふるさとの木」として指定し、地域の人たちの協力を得ながら後世に残していくことを目的としている。 指定された木は全部で19本(14ヵ所)になる。

緑丘(カシワ)、新栄(カシワ)、若園(サクラ)、朝日(アカマツ)、高江(トドマツ)、万世(カツラ、アカマツ)、高江(ドロヤナギ、ポプラ、カツラ)、明和(ハルニレ)、東川(ヤチダモ)、中央町(イチイ)、太陽(チョウセンゴヨウ)

昭和53年以来、教育委員会が管理しており、老朽化した看板の取替等を行なっているが、ふるさとの木そのものの管理はなかなか難しく、すでに朽ちてしまった木も何本かある。

 

2.エコミュージアム事業に伴うふるさとの木の考え方

エコミュージアムではふるさとの歴史にちなんだところに石碑看板を設置している。昭和53年に指定したふるさとの木も実態(分布)調査を経て、後世に伝えたい木を選定した(平成14年郷土文化研究会調査)。基本的に、地域の歴史と深い関わりがあり、朽ちておらず枝振りがしっかりしていて樹齢の高い老木を対象とした。
エコミュージアム事業において、特に看板を設置すべきと思われる木は次の予定

高江(カツラ)、緑丘(カシワ)、明和(ハルニレ)、万世(アカマツ)、中央町:資料館(クロビイタヤ。昔、明和で自生したものを資料館に植樹。昭和53年指定ではないが、後世に伝えたい木)

 

3.今後の取扱

今回(平成17年度)現地調査した結果、または以前エコミュージアムに伴う郷土文化研究会で現地調査した結果を踏まえて、以下の木に新しい看板を設置すべきと判断する。

緑丘(カシワ)、新栄(カシワ)、若園(サクラ)、万世(アカマツ)、高江(カツラ)、明和(ハルニレ)、太陽(チョウセンゴヨウ)中央町:資料館(クロビイタヤ)計8ヶ所

 

教育委員会としては、今後、木や看板の腐食がないよう、日頃より注意深く観察することはもとより、「ふるさとの木」をより世間一般の人に知っていただくため、記録資料を整備し、それを何らかの形で積極的に紹介していく(例:まなボード、ホームページで紹介等)。
木の管理は、「ふるさとの木」として指定した以上、教育委員会が中心となって行うべき部分もあるが、各地域の歴史を物語る貴重なものなので、行政だけが行うのではなく、地域住民が、先人の苦労とともに生きてきたこの木の大切さを知り、率先して管理や整備に行って、守っていただくことが望ましいと考える。今後は、教育委員会と地域住民が互いに協力して管理できることが、もっともよい方法なのではないだろうか。

 

「ふるさとの木」の新しいマップ(PDF)ができました。(鳥瞰図のため位置関係は概略です。)

 

No. 名称・場所 状態 No. 名称・場所 状態
(1) カシワ(4本)
緑丘(旧診療所)
良好 (9) セコメタイヤ(1本)
大富(生活館付近)
良好
(2) カシワ(1本)
新栄(和田さん地内)
良好 (10) カツラ(1本)
高江(新冠川河川敷、馬頭観音寺前)
良好
(3) サクラ(1本)
若園(畠山さん地内)
良好 (11) ハルニレ(1本)
明和(旧明和小学校地内)
良好
(4) ミズナラ
字高江(判官館森林公園内)
良好 (12)    
(5) ミズナラ(1本)
美宇(清流橋付近)
良好 (13)    
(6) ハルニレ(1本)
若園(旧若園小学校地内)
良好 (14) チョウセンゴヨウ(1本)
太陽(旧太陽小学校内)
良好
(7) アカマツ(1本):万世(生活館裏) 良好 (15) クロビイタヤ(1本)
中央町(郷土資料館前)
良好
(8) イタヤカエデ(1本)
太陽(太陽婦人ホーム付近)
良好      

 

(1)樹木名:カシワ(4本)

場所:新冠町字緑丘(旧診療所)
樹木の状態(太さ、状態):太さは約1メートル。4本とも状態は良好。

樹齢は300年ともいわれており、江戸時代から伝わる銘木といえる。開拓時代はたくさんあり伐採したが、この4本だけは記念として残したという。

 

(2)樹木名:カシワ(1本)

場所:新冠町新栄(和田さん地内)
樹木の状態(太さ、状態):太さは約1.4メートル。状態は良好。

新栄でこれだけ大きな老木は珍しいとのことで、ふるさとの木に指定された。昔はもう1本あったが、台風の影響で倒れてしまった。

 

(3)樹木名:サクラ(1本)

場所:新冠町字若園(畠山さん地内)
樹木の状態(太さ、状態):太さは約0.9メートル。状態は良好。

御料牧場のスネナイ分場があったときのもので、現在は1本だけ残っている。最近、若園に住むの高齢者により、整備がなされた。

 

(4)樹木名:ミズナラ(1本)

場所:新冠町字高江(判官館森林公園内)
樹木の状態(太さ、状態):太さは約1.2メートル。木の状態は良好。

ミズナラはドングリの木として知られ、新冠に多く自生しています。昔は、御料牧場の牧柵は主にミズナラの木を使って作っていました。この木は、自然が豊富な判官館の中でも特に立派な大木で、樹齢は数百年を超えるといわれています。

 

(5)樹木名:ミズナラ(1本)

場所:新冠町字美宇(清流橋付近)
樹木の状態(状態):木の状態は良好。

ミズナラはドングリの木として知られ、新冠に多く自生しています。美宇は大昔から人が住んでいた歴史ある場所で、明治後期に開拓の鍬がおろされました。この木は、幾多の自然災害を乗り越えて現在まで生きているふるさとの木です。

 

(6)樹木名:ハルニレ(1本)

場所:新冠町字若園(旧若園小学校地内)
樹木の状態(状態):木の状態は良好。

若園はかつて、御料牧場用地として使われ、大正8年に新冠尋常小学校滑若特別教授場が開校されました。これが若園小学校のはじまりとなります。ハルニレのニレ皮はアイヌ語で「ニカプ」といい、新冠という地名の由来となりました。若園の子ども達を見守り続けたふるさとの名木です。

 

(7)樹木名:アカマツ(1本)

場所:新冠町字万世(生活館裏)
樹木の状態(太さ、状態):太さ約0.7メートル。木の状態は良好。

昭和初期はまだ若木だったという。万世の歴史とともに生きてきたもの。

 

(8)樹木名:イタヤカエデ(1本)

場所:新冠町字太陽(太陽婦人ホーム付近)
樹木の状態(状態):木の状態は良好。

太陽地区は終戦後、樺太や中国東北部(旧満州)から引き揚げた方々が多数入植し、開拓が行われたところです。開拓者が懸命に野山を切り開き、現在の姿となっていますが、この木は記念に残された木です。太陽の歴史を見守り続けたふるさとの名木です。

 

(9)樹木名:セコメタイヤ(1本)

場所:新冠町字大富(生活館付近)
樹木の状態(太さ、状態):太さ  メートル。木の状態は良好。

メタセコイアは太古の地球環境から生きている木で、生きた化石ともいわれています。この木は大富地区の発展とともに成長した大木です。

 

(10)樹木名:カツラ(1本)

場所:新冠町字高江(新冠川河川敷、馬頭観音寺前)
樹木の状態(太さ、状態):太さ1.2メートル。木の状態は良好。平成16年に根の付近に土を補充して整備を行った。

明治時代、新冠川河口には渡し守がいた。その時代から自生している大木。

 

(11)樹木名:ハルニレ(1本)

場所:新冠町字明和(明和小学校地内)
樹木の状態(太さ、状態):太さ約1.5メートル。木の状態は良好。

昔から自生している大木で、開拓記念樹として残されたもの。

 

(14)樹木名:チョウセンゴヨウ(1本)

場所:新冠町字太陽(太陽小学校内)
樹木の状態(太さ、状態):太さ0.6メートル。木の状態は良好。

太陽入植当初、開拓者が入植記念に植えた記念樹。以来、太陽小学校の子どもたちの様子を見続けてきた。

 

(15)樹木名:クロビイタヤ(1本)

場所:新冠町中央町(郷土資料館前)
※明和のものを植栽

御料牧場時、植物調査のために訪れた宮部金吾博士が、明和の山道ではじめて発見した木で、新種として学会に登録された。別名「ミヤベイタヤ」ともいわれる。現在は明和にあったものを、資料館に植栽している。

 

クロビイタヤ

カエデ科カエデ属 Acer miyabei

クロビイタヤの樹皮はイタヤカエデに似ており,その内の樹皮が黒い色からこの名が付けられたと云われております。明治17(1884)年,日高地方で宮部金吾先生によって発見されたことに因んで,ミヤベイタヤとも呼ばれています。

分布と生育場所 北海道(南部)・本州(秋田北部・岩手・長野(菅平))の山地の湿った林
外観 落葉木本・高木 H=1000-2500
葉の概要 【葉序】対生 【葉外形】五角形 【葉縁】鋸歯・掌状裂
葉の詳細1 【葉先】鈍頭・円頭 【葉基】心形 【葉長】5-12 【葉幅】6-15 【葉柄長】4-20
花の概要 【花期】春夏 【花色】黄褐色

お問い合わせ

教育委員会 社会教育課 社会教育グループ(レ・コード館内)

〒059-2402 北海道新冠郡新冠町字中央町1番地の4

電話:0146-45-7833  FAX:0146-45-7778

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